ユダヤ人の人口は1600万人と言われており、全世界の人口と比べると0.4%にしかならない。しかし多くのノーベル賞受賞者を輩出していたり、知的生産性の高い民族と言われています。ユダヤ人は適応性が豊かで、創造力に富んでいます。ユダヤ人は長い間虐げられる民族でした。 それにもかかわらず、ユダヤ人は成功していたのです。その原因はユダヤ人がまず自分を創造していたのです。
ユダヤ人の虐げられた歴史から学べる部分はないかを考察していきます。
ユダヤ人の迫害の歴史
1.出エジプト記
紀元前13世紀にエジプトで迫害を受けていたユダヤ人がエジプトを脱出する物語です。モーセの十戒で知られる予言者モーセに率いられたユダヤ人はエジプト脱出に成功しました。
2.バビロン捕囚
紀元前11世紀、ユダヤ人の王国が建設されたがバビロニアに征服され、バビロンに移住させられた。荒廃した土地で人口が減少しており人口を補うためと言われています。
第2のユダヤ人迫害でしたが、古代オリエント社会においては、反乱の防止や職人の確保、労働力の確保を目的として強制移住が行われることはたびたびあったのです。
3.イエス・キリスト
キリスト教ははじめ差別や迫害をうけ、弾圧されていましたが、その後、キリスト教はミラノ勅令により公認され、ヨーロッパで急速に広まっていきました。
ユダヤ教から派生したキリスト教を作ったイエス・キリストは、ユダヤ人によってローマ帝国に告訴され、銭で売られて、殺されたのだという主張がありました。
キリスト教が普及したヨーロッパでは、はじめの差別や迫害の反動としてユダヤ人への差別や迫害が始まったのです。
4.ナチスのよるユダヤ人虐殺
1850年代、フランスのゴビノーは「人種不平等論」により、白、黒、黄色の3種類には差異があり、混血により障壁が破られると文明は退化すると主張しました。ヨーロッパ人、アーリア人の優越性を主張しました。
ナチスはこの主張を利用しました。人種不平等論にはユダヤ人迫害の意味はありませんでしたが、ヒトラーの我が闘争には曲解して取り込まれています。
どこの国でも少数派だったユダヤ人は自分の国を持ちたいと思い始めました。
弾圧により、多くのユダヤ人はパレスチナに移住し、パレスチナ地区のユダヤ人は増加していきました。
5.パレスチナ問題
パレスチナへのイスラエル建国によってアラブ人とユダヤ人の対立は深刻となり、4度にわたる戦争へと発展しました。
事の発端はイギリスの3枚舌外交が問題とされています。
第一次世界大戦中にアラブ諸国に対し、将来の独立を約した協定。オスマン帝国から独立するアラブ人に反乱を起こす代わりに戦後の独立を承認しました。
第一次世界大戦中に、イギリスがユダヤ人にパレスチナ国家建設を認めた宣言。イギリスは宣言を行うことでヨーロッパにいるユダヤ系である資産家ロスチャイルド家から支援してもらうことを目的としていました。
第一次世界大戦中にイギリス・フランス・ロシアで結ばれたオスマン帝国領の分割を約した協定。密約のためアラブ諸国には知らされていませんでした。
この矛盾する3つの宣言にたいし、イギリスは各々に対して折り合いをつけましたが、各々の理想とはかけ離れており不満が残る形になりました。
第二次世界大戦後に世界の実権を握ったアメリカにいたユダヤ人たちによって、ユダヤ人の国イスラエルが建国され、外国から多くのユダヤ人が入植しました。元々パレスチナに住んでいたアラブ系の人々は追い出されることになり、パレスチナに対立が生まれたのです。
4度の戦争を経て、パレスチナはほとんどユダヤ人国家のイスラエルが占領することになりました。
まとめ
今回の歴史から学ぶこと
1.紀元前から由来する迫害を経て、ユダヤ人は真剣に国を獲得しようと動いた。
→逆境から這い上がろうとする力はとても強いエネルギーとなる。
2.個々では弱いが民族として集として集まると強い。
→一人では何もできない。日本人。高齢者。薬剤師。同じ境遇の仲間を見つけよう。自分を変えたいと思うのなら自分の目標とする理想のグループになんとか潜り込もう。
3.なにかをなしとげるには経済力も必要
→イスラエル建国には資産家ロスチャイルド家の資本がかなり投入されている。最初は小さいことをコツコツとやってお金を貯めよう。お金はまとまるとエネルギーを持ちます。
4.イギリスとアラブなど圧倒的力の差がある場合には、不満があっても抵抗できない
→自らに力がないことを認めよう。急に社長に会いに行こうとしても会ってくれないのが普通です。自分の少し上の人なら会ってくれます。少しずつ自らが知識と力をつけてステップアップしていくのが大事。
コメント
[…] (3枚舌外交まとめ) […]