イスラエルの建国と中東戦争

日本と世界の歴史

第一次世界大戦後の中東

イギリスの3枚舌外交により始まったパレスチナ問題ですが、サイクス・ピコ協定により、第一次世界大戦後イギリスとフランスで中東は分割されました。

 

アラブ人はフセイン=マクマホン協定により、1920年にシリアとイラクの独立を宣言しましたが認められず、反乱を起こしましたがイギリスとフランスにより鎮圧されていましました。

また、イギリスは、1921年ヨルダン川の西だけをパレスチナと決め、そしてバルフォア宣言の該当地をこの部分に狭めてしまいました。

その後、多くのユダヤ人がイギリスの後ろ盾もありパレスチナへと入植してきました。

 

第二次世界大戦後の中東

第二次世界大戦後、イギリスとともにナチスと戦ったユダヤ人は、イギリスの勝利とともにパレスチナで力をもつようになります。

しかも、ナチスによるユダヤ人大量虐殺が明るみに出ると、世界中の国々が、ユダヤ人が国を持つ権利を認めるようになってきます。

この間に、アメリカのユダヤ人が全パレスチナをユダヤ国家として独立させることを目指し、権利を主張していきます。

1948年 国際連合により、パレスチナ分割案が決議されました。それに従い、ユダヤ人はイスラエルを建国しました。しかし、その内容はユダヤ人に有利なものだったのです。パレスチナの56%をユダヤ人に与えるというものであり、しかもユダヤ人に当てられた場所は、水資源があって農耕などにむいている場所だったからです。アメリカの強力な後押しがあったため有利な条件で分割することができたのです。

 

第一次中東戦争

イスラエルの独立宣言とともに、周辺のアラブ諸国はそれを認めず、第一次中東戦争が勃発しました。この戦争は、結果的にはイスラエルが国連分割案より多くの領土を獲得することに成功しました。

もともとパレスチナに住んでいた人たちは戦争のため周辺諸国に逃れていました。戦後、故郷の帰還を切望しながらもイスラエルが社会的・政治的不安定を招くとして受け入れを拒否しました。

パレスチナ難民の多くは無国籍の状態で難民キャンプで暮らしています。当初70万人だった難民は今では500万人と言われており、世界の難民総数2000万人と比較すると4分の1がパレスチナ難民と言われています。

 

 

第二次中東戦争

地理的重要度の高いスエズ運河はもともとイギリスが占領していましたが、エジプトのナセル大統領がスエズ運河を国営化したことにより、直接的にはエジプトを攻められないイギリスフランスイスラエルを巻き込んで、エジプトを攻撃しました。

その後、イスラエル軍はアメリカソ連の脅しを受け、エジプトから撤退し、戦争は終了しました。当時、アメリカやソ連は冷戦状態であり、協力することはなかったのですが、両国の意見が一致した珍しい事例です。

この戦争を契機にイギリス・フランスの中東への影響力は後退し、アメリカ・ソ連が中東における主導権を強めます。また国際世論は侵略された国であるアラブよりになっていきます。

 

第三次中東戦争

国際世論がアラブよりになり、英仏もイスラエルを支援できなくなったため、イスラエルはアメリカの援助により軍需強化をし、単独でアラブ諸国に攻撃をしかけました。6日戦争と言われる短期間に、ゴラン高原・シナイ半島・ヨルダン西岸地区・ガザ地区などを占領しました。

イスラエルはエルサレムの全域を占領し、「分割されない永遠の首都」だと宣言しました。

しかし、イスラエルの主張は世界的には認められていません。国連の分割決議に基づいて建国されたイスラエルの首都はテルアビブとなっています。国際的に大使館はその国の首都に置くことになっています。ですから、日本大使館をはじめ各国の大使館はすべてテルアビブにあります。トランプ大統領がアメリカの大使館をエルサレムに移すと言ったことで問題になりました。

 

 

第四次中東戦争

エジプトとシリア軍がイスラエル占領地に攻撃をしかけたのをきっかけに、戦争が始まりました。

緒戦においてイスラエルが初めて敗北しました。その後イスラエルは反撃しましたが、周辺アラブ諸国が親イスラエル諸国に対し、原油輸出禁止など圧力をかけたため、オイルショックが起こりました。世界経済にも大きな影響を与えました。

日本経済にも大きな影響を与え、高度経済成長が終わる原因となりました。

シナイ半島はエジプトに返還し、ヨルダン西岸地区とガザ地区はパレスチナ自治区となりましたがゴラン高原は占領を続けています。

西岸地区、ガザ地区はヨルダン、エジプトが領有権を放棄したため、現在は誰のものでもない土地という扱いになっています。

日本では、マスコミが連日、石油資源の不足の危機を報道したので消費者がスーパーに押しかけてトイレットペーパーを買いだめし、品不足となりました。マスコミと口コミにより、多くの人が踊らされることになった。情報の錯綜が起きた事例です。

 

まとめ

日本では宗教対立、民族対立は馴染みがないが、世界ではそれぞれの威信をかけて対立している国もあります。

世界第一位の経済大国アメリカにはユダヤ人がたくさんいて、選挙の票集めや資金集めのために国が動くことがあります。世の中は平等と言われているが、お金を持っている人は強い。

我々はエネルギーを石油に依存しています。そのため、中東情勢も気にかけておかなければなりません。

マスコミや口コミの情報に踊らされず、様々なところから情報を集めて自分で考える力をつけていきましょう。

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